もっとも美しいシラスで祝宴
シラスの個に向きあったためしがない
思った。冬の終わりの日のことだ。
僕にも個があるように
シラスにも個がある。
個のパック詰め
彼らは誰一人、その個を鑑みられることなく
ひとからげに消費されていく。
まるで人じゃないか。
せめて今日は
今日だけは、彼らと向き合おう。
いままで 「いまいちテンションの上がらないおかず」としか思ってなかった罪滅ぼしに。
ちょうど先日、とある賞(https://omocoro.jp/kiji/132432/)をもらった。
この中から最も美しい一匹を選び出し
祝宴を開こう。
249円
スーパーまるだいにて購入。
シラスはイワシの稚魚。
でも子供とはいえ大きさはさまざま。
こうしてみると、それぞれちがった趣がある。
畸形だろうか。
中でも
僕がもっとも気に入ったのは
これ。
しなやかな曲線。
混じりけのない白み。
美しい。
死んでしまったことが悔やまれる。
おわり
※紅白の生姜は売ってなかったので紙で作りました。